ペーパーバック出版で悩む色の問題・その2

手作りあれこれ

KDP(キンドルダイレクトパブリッシング)で
ペーパーバック出版に挑戦してみた記録です。
(*^^*)

前々回では、
サイズや解像度について。



前回では色の問題、
主にRGBとCMYKについて書きました。

※私自身は印刷やデザインに関して全くの素人です。
知識や経験はプロの方には遠く及びませんが、
素人なりに実行してみた記録として
温かい目で読んでいただけるとありがたいです。
(;・∀・)


カラープロファイル

カラープロファイルとは。
ざっくり言うと、
どの規定に従って色を再現するのか
という記録、という感じでしょうか。

パソコンの中には
写真や絵そのものを入れてあるわけではなく
あくまでもデータとして保存してあるので、
そのデータを画像として表示する時に
決まった法則にのっとって開かなければ

開くたびに色が違う、とか
別のモニターだと全く色が違う、
なんてことになってしまうわけです。

今見ている画面はどのカラープロファイルで表示されているのか、
どのカラープロファイルを使って編集するのか、
というのを
編集を始める前に確認しておきましょう。


クリスタの環境設定

クリップスタジオペイントを使用する場合、
「ファイル」→「環境設定」
→「カラー変換」へと進みます。

RGBプロファイルは、
編集作業中に見ているはずのカラープロファイルです。
Adobe用やApple製品の環境じゃなければ、
通常はsRGBです。

提出先の環境が分からない場合は、
sRGB IEC 61966-2.1
が汎用的なプロファイルなので
それを選んでおけば間違いないと思います。


それをCMYKに変換する時はどのプロファイルにするか
を選ぶのですが、
提出先からの指定がない限り
Japan color 2001 Coatedが一般的です。


使用ライブラリについては、
正直さっぱり分かりません。
(;・∀・)
どっちを選ぶとどうなるのか、とか。

Windows環境なので
Microsoft ICMでいいのかなぁ???
って感じです。
とりあえず分からないものの
本は出来たのでたぶん大丈夫でしょう。
(;・∀・)




レンダリングインテントは
CMYKカラーでは表せない色をどのように補うか、
という方法を選ぶものです。

私個人の感想としては、
色調補正をしたうえで
「知覚的」で変換するのが一番きれいになるかな、
という印象です。

「知覚的」では
画像全体の色味が平均して変化します。
(全体的に黄色みが強くなり、彩度が落ちる感じ)
色自体の変化は大きいものの、
色と色の繋がりが自然なまま保たれます。



「相対的な色域を維持」
を選ぶと、色の鮮やかさは保たれる部分が多いですが、
CMYKで出せる色と出せない色の部分での
繋がり方がちょっと不自然、という感じです。
特にグラデーションを綺麗に出したい部分などでは
色がギザギザに感じたり、
変化が粗く感じることもあるかもしれません。
モニターで見ると感じない粗さでも、
実際に印刷してみると
思っていた以上に粗く感じる可能性があります。
「色の変化」なので、
解像度を高くしてもそれは変わらないと思います。

その他の選択肢は
あまり使わないと思うので
スルーします。
(;・∀・)


PCディスプレイのカラープロファイル

使っているパソコンのディスプレイでも
カラープロファイルを確認します。


クリスタで使うカラープロファイルと
ディスプレイのカラープロファイルを
一致させておきましょう。

PC左下のスタートメニューから
「設定」→「システム」→「ディスプレイ」
→「ディスプレイの詳細設定」
→「ディスプレイ1のアダプターのプロパティを表示します」
→「色の管理」
へと進みます。

「デバイス」を開くと
このデバイスに関連付けられたプロファイル
が表示されます。
この一覧に、使用したいプロファイルが無い場合
下の「追加」を押して
sRGB IEC 61966-2.1を選択し、
「既定のプロファイルに設定」をクリックします。


同じ「色の管理」の中の
「詳細設定」を開き、
システムの規定が
sRGB IEC 61966-2.1になっていることを確認しましょう。


これで、
PCディスプレイとクリスタの環境での
カラープロファイルが一致します。

※もしかしたら
クリスタをPCに合わせるのが正しいのかもしれませんが、
私の場合
クリスタではRGBが
sRGB IEC 61966-2.1しか選択肢に無くて、
PCをそちらに合わせる形になりました。
どのみち
sRGB IEC 61966-2.1を選ぶなら
どっちが先でも同じですかね。
(;・∀・)




クリスタでCMYKカラーをプレビュー

クリップスタジオペイントでは、
CMYKカラーに変換されたイメージを確認しながら編集することが出来ます。

「表示」→「カラープロファイル」
→「プレビューの設定」へ進み、
プレビューするプロファイルに
CMYK:Japan Color 2001 Coatedを選択します。

「プレビューの設定」の下にある
「プレビュー」にチェックを入れると、
CMYKカラーでのイメージが表示されます。

チェックを外すと
元のRGBカラーに戻ります。

プレビューでは
イメージを確認するだけで、
CMYKカラーで保存されるわけではありません。

CMYKカラーで出力して保存

画像をCMYKカラーで出力、保存する時は、
「画像を統合して書き出し」→「jpeg」へ進み
書き出し設定の中の「カラー」の部分で
CMYKカラーを選択します。

その時に重要なのは、
ICCプロファイルの埋め込みではチェックを外しておくことです。

ICCプロファイルは埋め込まない

KDPヘルプページの
ペーパーバックの表紙の作成、
色の要件の項目では

「ファイルにカラープロファイルを含めることは推奨されません。
カラープロファイルは予期せぬ結果を生むことがあります。」


と記されています。 


私はこの部分を全く把握していなくて、
失敗をやらかしました。
(;・∀・)


全部RGBカラーで提出した校正本を見る限り、
あとは表紙だけCMYK変換したものを
アップロードしなおせばOKかな、

新しくアップロードした表紙の出来を確認せずに
販売を開始してしまったんです。
(;・∀・)

肝心なところでざっくりした性格が。。。


審査が終わり販売可能になってすぐに
自分で購入してみました。

すると、
提出した画像とは
色が結構違う感じに出来上がっていました。


自然光で撮影しています。
前回載せた校正版と同じ日に
連続して同じ環境で撮影しています。


写真にすると、
小さくしているせいもあり
違いが分かりにくいですが、
肉眼で見ると
見てすぐに「あれ???」
って思ったレベルです。

パソコンのモニターで確認した時よりも暗くなるだろうとは覚悟していたのですが、
写真の部分だけが、
やけに色がくどいんですよね。

「提出した画像はここまで彩度上げ上げじゃなかったはずなのになぁ???」
「しかもビーズの透明感が無くて色がつぶれちゃってる…」


印象としては、
写真部分の色味が
変換前のRGBカラーに近い感じになっていて、
しかも色の繋がりが滑らかじゃないという感じ。


これはもしかしたら
色域を維持での変換に近いんじゃないかな???
(※私個人の感想なので
 実際に行われた印刷の環境は分かりません)

不思議に思い、
原因をあれこれ探ってみてようやく、

提出した画像にはICCプロファイルを埋め込んでしまっていたらしい
という事に気付きました。

ICCプロファイルが埋め込まれていたために、
「予期せぬ結果」という状態になってしまったのだと思います。


書き出しした時点では、
実はICCプロファイルが何なのかもまったく分かっていませんでした。
(;・∀・)
どうやらカラープロファイルの記録のことらしい、
と気付き、
上記の色の要件を再確認し、
また新しく書き出ししなおした表紙画像を
アップロードしなおしたのでした。。。
(;・∀・)


これくらい何も分かってないヤツでも
本は作れたよ、ってことで。
ヾ(*´∀`*)ノ


まぁ、
その都度学んでいけば何とかなるものです。
(;・∀・)



ファイルを提出しなおして
今現在販売中の仕上がりはこちらです。

同じく、
同じ日に連続して同じ条件で撮影しています。

やはり写真ではちょっと分かりづらいとは思いますが。。。
人間の目って結構すごいのかも、
と思う今日この頃です。


納得いくまで校正しよう

私の場合、
販売後もまだ直し続け
現在の状態に持ってくるまでに
5冊かかりました。

本来であれば
その5冊目を校正で確認してから販売を開始するべきだと思います。
(;・∀・)
でもファイルを再提出するだけで内容を更新できるのが
ペーパーバック版の良い所でもありますね。
最初からたくさんの冊数を印刷しちゃう本だと
そうはいかないので。
(;・∀・)



私が提出したファイルは、
表紙用画像のみCMYK出力したもの。
表紙以外、原稿に使った画像は全て
RGBカラーのまま保存した画像です。
あくまでも
CMYK変換された場合の色を確認しておく必要はあります。
プレビューで確認しながら
必要であれば色調補正して、
校正版を作って確認してさらに調整して、、、と、
納得いくまで校正を重ねることをおすすめします。


校正版を見てすぐ
「これでOK!」と思っても、
時間が経ってから直したい所を発見してしまったりするので、
(;・∀・)
販売手続きに進む前に
一晩くらいは寝かせて
冷静になってから見直してみるといいと思います。



。。。と、いうわけで。
今回もまた長くなってしまったので
書こうと思っていたことを書ききれていません。
(;・∀・)

なのでペーパーバック出版のお話はさらに続きます。
また読みに来ていただけると嬉しいです。
(*^^*)

次回以降、
校正版を見て
印刷されると見にくくなった部分をどう直したか、
電子書籍とは変えている部分など、
について書いていきたいと思います。
予告はあてにならないと言えばあてになりませんが。。。



少しでもお役に立てる部分があれば幸いです。


ではまた♪
(^_^)/

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