ペーパーバック出版で悩む色の問題

手作りあれこれ

「マクラメで編むアクセサリー
 ゼロから始めるステップアップ講座」
という本を、
電子書籍とペーパーバック版の両方で
出版させていただきました。
(*^^*)


前回では主に
サイズ、解像度の事を中心に書いています。

※私自身は印刷やデザインに関して全くの素人です。
知識や経験はプロの方には遠く及びませんが、
素人なりに実行してみた記録として
温かい目で読んでいただけるとありがたいです。
(;・∀・)

RGBとCMYK

RGBとは
RED(赤)、GREEN(緑)、BLUE(青)
という「光の3原色」の頭文字をとったものです。
この光の3原色を組み合わせることで
色を表現します。

RGBは、混ぜる色を増やせば増やすほど
白に近づく(明度が高くなる)ので
加法混色といいます。


普段、私たちが
テレビ・パソコン・スマートフォンなどを見る時
RGBカラーで表現された色を見ていることになります。



一方、CMYKは
Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、yellow(イエロー)
という「色の3原色」に
Black(ブラック)を加えた4色を組み合わせることで
色を表現します。

色の3原色は
混ぜる色を増やせば増やすほど
黒に近づく(明度が下がる)ので
減法混色といいます。

色の3原色は全てを混ぜると黒に近くなりますが、
完全な黒ではなく
黒に近い茶色になるので、
そこに黒も加えた4色が使われます。

印刷物の多くはCMYKで色を表現します。
CMYKは基本的に
白い紙の上に色を乗せるという前提なので
使用する紙以上に明るい色になることはありません。



電子書籍はRGBカラー

電子書籍はモニターを通して見るものなので
RGBカラーで作成します。


モニターの設定を変更したり
CMYKへの返還を行わない限り
パソコンで作成して保存した画像は
ほとんどの場合RGBカラーとして保存されていると思います。


ペーパーバックはCMYKカラー

ペーパーバック版は印刷物なので
RGBカラーでファイルを提出しても
実際にはCMYKカラーで表現された色が本になります。
同じ画像でも
RGBカラーの画像をCMYKカラーに変換すると
元の画像の色とはかなり違った印象になることが多いです。


クリップスタジオペイントを使用する場合なら
CMYKカラーをプレビューで確認したり
「画面を統合して書き出し」で
CMYKを選択して保存したものを確認するなど、
実際にどのような色になるのかを把握しておくといいですね。
(詳しくはもう少し後で書きたいと思います)

CMYKへの変換は必要なのか?

KDPのヘルプページで
「ペーパーバックの表紙の作成」
を確認すると、
「画像の追加」項目に

画像は、印刷された表紙の見栄えが良くなるよう、
CMYKカラーにする必要があります


と明記されています。



表紙についてはそう書いてあるのですが、
本の中身の原稿については、
使用する画像の色のことは
探しても何も書いていないようでした。


原稿に使う画像はRGBでもいいの???
という疑問を抱き、

もしかして
RGBカラーの再現率が高い印刷だったりするのかな???
と、期待して
とりあえず校正版を作ってみることにしました。

全部RGBのまま校正版を作ってみました

CMYKカラーに変換した場合のプレビューは確認しておき、
どの程度まで色褪せするのか
覚悟はしておくとして。


表紙と、最初の5ページ分の作品写真のみ
変換後に違和感が無い色に近づけるため
色調補正を加えました。


それ以外のページ、
編み図や作り方解説のページでは
電子書籍の時と同じ色調のままです。

表紙・原稿ともに、
全ての画像をRGBカラーのままで提出し、
校正版を作成してみました。

自然光で撮影しました。

写真部分に限って言えば、
思ったよりひどい色にはなってないな、
という印象です。
写真はくっきり綺麗に印刷されています。


写真部分に限って言えば
です。



写真の色味としては、
多少の色褪せはあるものの、
そこまで暗く変わったというほどではなく
色調補正して修正していけば
なんとか理想の色に持っていけるのでは、
と思います。


ですが、
ペイントソフトで作った部分の色は
恐ろしく色が抜けて、
寂しい色味に変わってしまっていました。


私の本の場合、
表紙と作品写真部分さえ
違和感ない色に仕上がったらいいかな、
と言えるので、
編み図と作り方解説のページは
「電子書籍とは多少色が違っていても仕方ない」と
割り切ることにしました。

写真はほとんど大丈夫で、
色が違うのは
文字や飾りの線、枠など、
イラストソフトで編集した部分です。

文字の色や線の色が少し暗めになってしまったとしても、
本の価値を下げる内容にはならないと判断したわけです。
それに、
電子書籍とは文字や飾り部分の色が違っていたとしても、
ペーパーバックだけを見てもらう場合なら
ほぼ関係ないともいえるからです。



私の本の場合は、
それでも十分かなと思えるのですが、


これが
「画像そのものが作品」である本を作ろうとする場合、
色の変化はかなり深刻な案件です。


前出のとおり、
使用する画像が写真である場合は
色調補正してから変換することで
元のイメージに近づけることは可能だと思います。


ですが、
デジタルイラストで描かれた画像
全く同じ見た目のままCMYKに変換することは
プロ並みの
カラーマネージメントの知識と技術が必要かもしれません。


私には正直、無理でした。
(;・∀・)
だからある程度の妥協ラインを自分に許したのです。


KDPでは特殊インク(蛍光カラーや金・銀のような)は使用されないので、
CMYKカラーで表現できる色幅以上には仕上げられないはずです。


なので、
私個人の感想としては
素人がKDPで
画像主体のペーパーバックを出版するとしたら

How toもののテキスト本、
写真集なら頑張れば可能。

デジタルイラストで描かれた作品集、
となると、
かなり厳しいのではないかな、、、
という感じです。
明るい鮮やかな色彩がお好みの方は
なおさら難しいかもしれません。


知識・経験が豊富で
色調補正も思い通りにできるレベルの方なら
もしかしたら問題ないのかな。。。
とは思いますが。
(;・∀・)




表紙画像だけはCMYKにするべき

一応、
RGBカラーのままファイルを提出しても
特にエラーになるわけでもなく
通常にアップロードできました。

※この状態では校正までしかしていないので、
そのまま販売手続きを進めた時に
審査に引っ掛かるのかどうかは分かりません。


出来上がった校正本を見る限り、
「十分な仕上がりだし
この状態でもう販売開始でいいかな~?」
とも思ったのですが、
ふと気づいたことがありました。


それは、
お客様が見る商品画像や、
商品検索で表示されるサムネイル画像は
表紙用にアップロードした画像から作られる
ということです。


それがなぜ問題なのかというと、


提出したRGBカラーの画像は、
CMYK変換を想定して

色調補正したものだからです

実際に私が校正用に提出した画像はこちら。

※ここでの画像は小さく圧縮してあるので粗くなっています。
色味だけ参考までにご確認いただけたらと思います。

液晶に表示したものと
写真に撮ったものとではそもそも明るさが違って見えますが、
それでも
作品写真以外の部分が特に
色味が全然違うのがお分かりいただけるかと思います。


実際、校正版を注文した際の
注文詳細画面はこんな感じでした。

こちらの色味の画像を見て注文して、
届くのが2個前の写真の見た目になるわけです。

私自身は色の変化は承知の上ですが、
もしもこの状態で販売された場合
購入した方が実際の本を手にしたときに

商品画像と違う

と感じてしまう可能性がありますね。
読者様をがっかりさせないためにも
商品画像と実物の本の色とは
一致させておく必要があります




表紙画像が
写真に文字を入れただけ、という画像であれば
ここまでの違いはないかもしれません。
※とはいえ文字の色には注意が必要です。


またはセピアカラーやアンティークな色調の画像なら、
ここまで気にはならないのではないかなと思います。

まだまだ書ききれないことはありますが、
今回はここまでとさせていただきます。

後で詳しく、って書いたのに
まだそこまでたどり着けてないです。。。
(;・∀・)


次回はさらに色の問題の続きを。

提出する画像にはICCプロファイルを埋め込んではいけない
というお話と、
どれくらい補正してどれくらいの仕上がりになったのか、
という比較画像などを中心に
書いていきたいと思います。

引き続き読みに来ていただけると嬉しいです。





少しでもお役に立てる部分があれば幸いです。

ではまた♪
(^_^)/

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